葛西潔建築設計事務所が開発した特許構法「木箱212」(発明名称: 木構造における耐震性フレーム / 特許番号 第3679748号)。柱と梁になる門型のフレームを、建築用材である2×12材を組み合わせて造る独特のもので、門型のフレームを455ミリメートル間隔で並べ、その外側に構造用合板を張って躯体の強度を確保しており、内部に柱は必要ありません。

合板の外側を断熱材で覆う外断熱方式を採用しているため、室内側にはむき出しのフレームがずらりと並びます。その間に横向きに板をつければつけた分だけ、壁がそのまま棚になるのが特徴。面積の広い壁を生かして、大容量の収納スペースを生み出すことができるとしています。

■ 木箱212構法特徴

全面開口: 間口方向は門型フレームだけで持たせているため、間口の全面開口が可能になります。間口を大きく取ることで都市部の狭小宅地や、間口の狭い敷地においても、日照を確保することができます。

間取りの可変性: 内部に構造要素を持たないことから柱や壁のない開放的な空間をつくることができます。更に、引き戸や間仕切りの追加・撤去により空間を自由に変えることも可能です。

無駄な材が出ない: 柱・梁ともに、同じ部材を使っており、仕口も1種類です。よって、施工が容易になり工期の短縮やコストの削減にもつながります。また、余った端材は、スペーサーや柱の間に渡す棚板として利用されるため、材料の無駄がなく、施工段階でのゴミが削減できます。

■ 限定100棟の建築

葛西潔建築設計事務所では構法「木箱212」を2005年に特許取得し、この構法の利点を行動でアピールするため、限定100棟に向けて設計、施工を続けています。住宅設計のモットーは「家族第一主義」。

狭い敷地で最大限の収納スペースが確保できる画期的な構法で、葛西潔建築設計事務所のホームページには構法を使って建てられたデザイナーズハウスを見ることができます。

葛西潔建築設計事務所
http://www.kasaikibako.com/


図解わかる 特許・実用新案―届出と手続きのしかた