三井不動産は、「新宿三井ビルディング」において、長周期地震動が発生した場合の揺れを大幅に低減させるため、日本で初めて超大型制震装置 TMD(約1,800t)を屋上に設置。施工は、鹿島建設株式会社が行い、平成25年8月中旬着工、平成27年4月末竣工の予定。

TMD とは従来超高層ビルの風揺れ対策に使用されてきた振子式の錘(おもり)で、今般、三井不動産株式会社と鹿島建設株式会社が日本で初めてこの技術を発展応用させ、超高層ビルの地震の揺れ対策の制震装置として実用化。

制震装置の導入にあたり一般居室階の窓際へオイルダンパーを設置する従来の手法も検討しましたが、TMD を屋上に設置する手法は、眺望が阻害されることや有効床面積が減少することもなく、更に居室内工事がなくなるなど、テナントへの影響を大幅に低減できるため採用。

「新宿三井ビルディング」における制震装置の導入効果は、東日本大震災時における長周期地震動による揺れを半分以下に大幅に低減するとともに、揺れを早期に収束させるものです。なお、三井不動産と鹿島建設は、今回あわせて、超大型の TMD を屋上に設置するための架構工法を2社共同で特許申請中。

■ TMD
建物に減衰器(Damper)を介して錘(Mass)を取り付け、固有振動数を最適に調整(Tuned)することにより振動を抑制する装置。

Source: 三井不動産